昨今では、「Web」という言葉が、一般的に使われるようになりました。
「インターネット」と同じような意味で用いられる言葉ですね。
きっと聞いたことがある方がほとんどでしょう。
ただ、この言葉、語源はどのようなものなのでしょうか。
何かの略語なのでしょうか?
「Web」の語源

実は、「Web」という言葉自体は、何かの略語ではありません。
アルファベット3文字の言葉を見ると、「何かの略なのではなか?」と思ってしまいますよね…
特にIT系の言葉では、省略して、アルファベット3文字で表現される言葉がとても多いですから。
実は「Web」とは元々、「クモの巣」という意味の英単語です。
以前、「そもそもWebって何?」という記事の中で、Webとは、
「情報を発信するために待ち構えてるコンピューターの集まり」
ということをお話ししましたね。
世界中にたくさん、「Webサーバー」と呼ばれるコンピューターがあり、それらのコンピューターが、Webサイトの情報を僕たちに送ってくれているのでした。
そして、それらの「Webサーバー」と呼ばれるコンピューター達は、「ハイパーリンク」と呼ばれる仕組みで、相互に紹介し合っているのでした。
(Webサーバーについてもっと知りたい方は、「ウェブサーバーってなに?」という記事をご参照ください。)
そういう風に、世界中のコンピューターが網目状に繋がり合っている様子を、「クモの巣」にたとえて、「World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ)」と呼ぶようになりました。
「World Wide(ワールド ワイド)」とは、「世界的な」という意味ですから、「World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ)」とは、直訳すると「世界規模のクモの巣」ということですね。
世界中に広がる、インターネットのネットワーク網をたとえた言葉です。
ただ、この「World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ)」という言葉は長いので、次第に省略され、「Web(ウェブ)」とだけ呼ばれるようになりました。

皆さんはWebサイトのURLの中に、「www」という文字列を見たことがありますでしょうか。
今あなたが読んで下さっている、このブログのURLも「https://web.lingual-ninja.com/」ですから、「www」という文字列が含まれていますね。
これは「World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ)」の頭文字を取った「www」という文字列が、今でも習慣としてURL内に組み込まれているのです。
バグが大好きなWebディベロッパー

以前私がフィリピンでエンジニアとして働いていた時、「蜘蛛は、バグ(小さな虫)を見付けるのが大好きな、唯一のWebディベロッパーだ」というジョークを聞きました。
「なるほどなぁ」と感じたので、一応ここでも紹介させて頂きました。笑
「バグ」という英単語には、2つの意味があります。
一つは、蜘蛛が取って食べるような、小さな虫のこと。
もう一つは、ソフトウェアを作る過程で生じてしまった、ソフトウェア製品の欠陥のことです。
ソフトウェアを作っているエンジニアの立場からすると、この「バグ」というのは恐ろしいものです。
もし、自分が作ったソフトウェアをお客さんに納品した後に、この「バグ」が見つかると、お客さんにも迷惑が掛かって怒られますし、徹夜をしてでも、その欠陥を修正しなければいけません。
なので、エンジニアは「バグ」を恐れています。
「Webディベロッパー」とは、「Webシステム」を作るエンジニア達のことです。
(Webシステムとは何なのかについて知りたい方は、「【初学者向け】Webシステムって何?」という記事をご参照ください。)
蜘蛛も「Web(蜘蛛の巣)」を作るのが仕事ですから、ある意味「Webディベロッパー(Web開発者)」ですね。
蜘蛛は、いつもバグを心待ちにしている、変わったWebディベロッパーなのですね。
「Webサイト」と「ホームページ」の違い

「Web」という言葉が元々、「蜘蛛の巣」という意味だということは、覚えて頂けたと思います。
もう一つ、インターネット関連で紛らわしい言葉に、「Webサイト」と「ホームページ」があります。
一般には、あまり違いを意識せずに、同じ意味として使われることが多いこの言葉ですが、何か意味の違いがあるのでしょうか?
これらは厳密に言うと違う意味の言葉なのですが、日本では、同じ意味とみなして良いでしょう。
ただし、英語圏で「ホームページ」と言うと、別の意味になってしまいます。
英語で言うところの「ホームページ」とは、「トップページ」のことです。
ですから、海外で「うちの会社のホームページはカッコ悪いから、修正しておいてくれ」などと部下にお願いしても、トップページだけが修正されてしまいます。
英語で言うときは、ちゃんと「Webサイト」と言いましょう。
ただ、日本語では、「Webサイト」も「ホームページ」も、同じ意味であると考えて良いと思います。
私もこのブログを書くときは、「Webサイト」という意味を指して「ホームページ」という言葉を頻繁に使っています。
むしろ日本語では、「店舗のWebサイト」というよりも、「店舗のホームページ」という方が、自然な印象すら受けます。
細かい語源にとらわれて、かえって分かりにくい表現をしてしまうよりは、臨機応変に、伝わりやすい表現を選んだ方が良いかもしれませんね。
まとめ
この記事では、以下のような内容をお話ししました。
- 「Web」は本来、「蜘蛛の巣」という意味の英単語
- インターネットを意味する「World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ)」という言葉を省略して、「Web」と呼ぶようになった
- 「ホームページ」という言葉は英語圏では、「トップページ」のみを指すが、日本語では「Webサイト」と同義と捉えて良い
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