この記事では、プログラミングやWeb開発に初めて取り組むような初心者の方が、まず初めに学ぶべきプログラミング言語は何なのか、ということについて考えていきたいと思います。
Webシステムの開発に興味を持った方であれば、HTMLやCSSを使ったウェブページの作成には取り組んだことがあるかもしれません。
HTMLなどは「マークアップ言語」と呼ばれる言語ですから、厳密に言うとプログラミング言語ではありません。
では、最初に学んでいくべきプログラミング言語は何なのかと考えると、私自身はJavaScriptが最適だと考えています。
環境構築につまずくことがない

基本的には、プログラミングを用いてシステム開発を始めるためには、環境の構築が必要です。
環境とは、開発を進めていくためのエディターや、デバッグ環境、成果物を配置するためのサーバーなど、プログラミングを行ってその成果物を公開していくために必要となる前提の部分です。
私もWebエンジニアをやっていて強く感じることですが、正直、プログラミングそのものよりも環境構築の方が難易度は高いです。
会社によっては、環境構築専門の部隊が配置されている場合も多いほどです。
私も最初は産業システム基盤部と言う部署で、開発基盤の構築を主に手がけていました。
そこからアプリケーション開発に興味を持ち、今ではアプリケーション側の開発エンジニアとして仕事に当たっています。
そういった背景から、私自身はアプリケーションの開発だけでなく、サーバーなどの基盤構築にも興味を持ってはいたのですが、アプリケーション開発を目的として学習を行っている方であれば、環境構築の学習に大きな時間を費やす事は得策ではない場合が多いように感じます。
基本的に、プログラミング言語を用いてシステムを開発し、それを世間一般の人たちに公開するためには、環境構築の部分を欠かす事はできません。
そしてそれには、非常に大きな手間がかかることでしょう。
もしかしたらプログラミングを勉強するのと同じ位、いやそれ以上の時間をかけないとうまくいかないこともあるかもしれません。
では、JavaScriptを用いた場合はどうなのかと言えば、全く環境を構築することなく、メモ帳で開発をすることすら可能です。
そしてそのJavaScriptを、無料ブログにでも貼り付けてしまえば、簡単に自身が作ったJavaScriptのアプリケーションを世界中に公開することができてしまいます。
なぜならば、JavaScriptが実行される環境は、何も特別な環境ではなく、あなたが普段使っているようなウェブブラウザの中だからです。
ウェブブラウザといえば、Chromeとか、Firefoxとか、Safari、EdgeやInternet Explorerのようなソフトのことですね。
あなたも普段インターネットを閲覧する時には、これらのソフトを使っていると思います。
そして、今あなたが私のブログを読む際にも、これらのウェブブラウザを利用していると思います。
そしてJavaScriptを用いて開発を行う場合、メモ帳のようなエディターと、ウェブブラウザさえあれば完結してしまうのです。
ウェブブラウザの、開発者コンソールと呼ばれる機能を用いれば、プログラムのデバッグなどを行うこともできますし、JavaScriptの実行中のプログラムの挙動を細かく追うこともできます。
なぜJavaScriptだけそういったことが可能なのかと言うと、基本的にはウェブブラウザ上で動くプログラミング言語というのは、現状、JavaScriptしかないからです。
そして、メモ帳のようなテキストを編集するエディターさえあれば、簡単にJavaScriptの実行ファイルを作ることができてしまいます。
この導入の簡単さは、初心者の方が初めてプログラミング言語の学習に取り組む上では非常に大きなメリットであると思います。
ほぼ全てのウェブ開発の現場でJavaScriptは使われている

学習をするプログラミング言語を選ぶ上では、その言語がどれぐらいメジャーに使われているのかという事は非常に大事な要素であると思います。
どんなに一生懸命そのプログラミング言語の勉強をしたとしても、もしあなたが働く開発現場でそのプログラミング言語を生かすことができないのであれば、勉強時間の無駄になってしまうことだって考えられます。
Web開発においてJavaScriptと言うのは特別な言語です。
どう特別なのかと言うと、その他の「サーバーサイド言語」と呼ばれるような言語と違い、先述のように、JavaScriptはウェブブラウザ上で実行されるのです。
ウェブ開発に携わりたいと思っている方であれば、RubyですとかPHP、 Java、Python、C#といったプログラミング言語を聞いたことがあるかもしれません。
これらのプログラミング言語はすべてサーバーサイド言語と呼ばれるプログラミング言語です。
これらの言語はWebサーバー側で動くプログラミング言語であるために、開発を行ってインターネットに公開するためには、サーバーの設定などの複雑な環境構築が必要になります。
それだけではなく、上記のようにサーバーサイド言語には非常に多くの種類がありますから、あなたが実際に仕事を行う開発現場において、どんなサーバーサイド言語が使われているかと言うのは、実際に会社を見つけるまではわかりません。
つまり、あなたが就職する会社によっては、あなたがこれから学習を進めていくサーバーサイド言語を一切使っていない可能性もあるのです。
また、あなたがこれからサーバーサイド言語を1つ一生懸命習得した場合、あなたはその言語に合わせて、就職先を絞り込まなければいけなくなるかもしれません。
そうなると、就職の選択肢を非常に狭めることにもなりますし、プログラミング言語には流行廃りがありますから、あなたが学習を行ったサーバーサイド言語の流行が過ぎてしまい、あまり就職先がなくなってしまう可能性だってあります。
変化の激しいweb業界において開発者として就職をするのであれば、将来的にも使うことができるプログラミング言語を選択したいものです。
そういった観点で考えたときに、JavaScriptと言う言語は、ウェブシステムの開発においては不可欠な言語であると言うことができます。
何故かと言うと、ウェブブラウザからユーザがシステムを使う場合は、そのブラウザ上で画面の動きを制御するために、JavaScriptを使わざるを得ないからです。
現場、ウェブブラウザ上で動くプログラミング言語は、前述の通り、JavaScriptしかありません。
JavaScriptを少し発展させたTypeScriptのようなプログラミング言語が用いられることもありますが、最終的にはブラウザで動かすためにJavaScriptに変換を行う必要があるため、ほとんどJavaScriptの文法をそのまま踏襲したようなプログラミング言語になっています。
ですから、Web開発を手掛ける現場で開発業務を行う場合は、ほぼJavaScriptは必須であると考えることができます。
こういった点からも、初心者の方が学習したことを無駄に終わらせないためにも、JavaScriptという、どんな開発現場でも用いられているプログラミング言語の学習を行うことが効果的であると思います。
JavaScriptを用いたバックエンド開発も可能

先ほど、JavaScriptはウェブブラウザで動く言語だというご説明をしました。
ただ、これは厳密に言うと正確な説明ではありません。
なぜなら、JavaScriptはサーバーサイド言語としても使うことができるからです。
先ほど例に挙げたRubyやPHP、Javaなどと同様に、ウェブサーバー上でJavaScriptを動かすこともできるのです。
その実行環境として最も多く使われているものはNode.jsと呼ばれる技術です。
こちらはサーバーサイド言語としてJavaScriptを実行するための環境ですから、「メモ帳1つあれば開発可能」というわけにはいきません。
しかし、フロントエンドだけでなく、サーバーサイドにおいてもJavaScriptを用いて開発を行うことができるわけですから、JavaScriptエンジニアにとっては非常にメリットが大きい技術です。
「フロントエンドから学習を始めて、サーバーサイドの開発にも生かしていける」
という点を考えても、JavaScriptという万能な言語の学習を行っておく事は、初心者のプログラマーの方にとって非常にメリットが大きいことであると思います。
JavaScriptを学習して、Webシステム開発の理解を深めていこう
いかがでしたでしょうか。
JavaScriptというプログラミング言語が、Webシステムの開発において必須であり、非常に学習価値の高いプログラミング言語であることをご理解いただけましたでしょうか。
ぜひ、どんなプログラミング言語を学んでいくべきかを悩まれている初心者エンジニアの方がいらっしゃれば、JavaScriptをとっかかりに、Webシステムに関する理解を深めていっていただければと思います。
この記事が、あなたがプログラマーとして楽しくWeb開発に取り組んでいくための助けになれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コメント