個人開発におすすめのサーバー・VPS【エンジニア8年目の結論】

サーバー ウェブサイト作成・運営

こんにちは、財前です。

本日は、自分がおすすめするサーバーに関して、記事を書いていきたいと思います。

誰がこの記事書いてんの?

自分は8年目のエンジニアです。

新卒で大手SIerのシステム基盤部に入社して、主にAWSを用いたシステム基盤構築に携わっていました。

今の会社では、Microsoft Azure上で人材採用関連のSaaSの開発を行っています。

この人材採用のSaaSも、複数の大手企業様たちが利用しているものなので、かなりトラフィックのある、大きいシステムです。。。

このように、仕事では上記のような大きいシステムの開発・運用を主に行ってきました。

その傍らで、個人的には、AWSやAzure・その他のレンタルサーバーやVPS上に、小規模なシステムも作ってきました。

その経験から、この記事では、特に個人開発での利用におすすめできるサーバーに関して、記事を書いていければと思います。

まずは結論から

いきなり結論から書くと、以下のようなものです:

  • 本業で使っているクラウドサービスがある場合は、個人でもそれを使う
  • 複雑なアーキテクチャでWebシステムを構築する必要がある場合は、海外大手クラウドベンダーのサービスを使う(AWSAzure
  • 国内向けのWebサービスを個人開発するだけであれば、コストを抑えられる国内のVPSを用いる(ConoHaさくらのVPS

それぞれの詳細について、以下で説明していきます。

海外大手クラウドベンダーはどうか

主なプレイヤーとシェア

「クラウドベンダー」と聞いたときに多くの人が思い浮かべるのは、Amazon社のクラウドサービスである「AWS」かもしれません。

AWSは世界シェアNo.1のクラウドですので、ご存知の方も多いかと思います。

以下は、近年のクラウド業界のシェアを表したグラフです。

クラウドのシェア
出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/08/news056.html

絶対王者のAWSを、MicrosoftのクラウドであるAzureが追い上げている形です。

また、中国企業のAlibabaがシェアを伸ばしているのも印象的です。

ちなみにこのブログも、Microsoft Azure上にWordpressを入れて運用しています。

個人開発におすすめできる?

AmazonのAWS・MicrosoftのAzure共に、とても便利でおすすめできます。

ただ、おすすめできる対象の人としては、「多少お金をかけてでも、本格的な基盤構築を行いたい人」になると思います。

逆に、「ただWordpressでサイトを公開したい人」や「個人でちょっとしたWebシステム開発をしたい人」が、これらの本格的なクラウドサービスを利用する必要性は、あまりないと思います。

理由としては、以下の2つです。

  • AWSやAzureには本当に多くの機能があるため学習コストが大きく、使ったことがない人には混乱を招く
  • 金銭的なコストが比較的大きい

AWSやAzureには本当に多くの機能があるため学習コストが大きく、使ったことがない人には混乱を招く

AmazonMicrosoftのような海外の大手クラウドベンダーが提供するクラウドサービスは、あらゆる機能を備えた、万能なクラウドサービスです。

ただ単にサーバーを立てて管理するだけでなく、データベースやストレージ、その他のシステム開発に関わるあらゆる機能が提供されています。

単純なWebシステムだけでなく、サーバーレスアーキテクチャ等の、あらゆるシステムアーキテクチャでWebサービスを構築するために必要な各種サービスが用意されています。

また、基本的にはエンタープライズでの本格的な利用を想定している部分が多く、

国内外の大手企業はもちろんのこと、アメリカの国防総省のシステムなんかも、Azureのクラウド上に構築されていたりします。

「ガッツリ勉強して、使いこなす!」という気概がある人にとっては、最高のプラットフォームだと思います。

ただ、個人でちょっとしたWeb開発を行いたいだけの方や、ただブログを公開したいだけの人が、サーバーを立てるためにこれらのクラウドを利用する必要があるかと言うと、そんなことはないと思います。

AWSやAzureを本当に使いこなそうと思うと、それだけで資格試験が複数存在するぐらい、多岐に渡る知識を身に着ける必要があります。

機能の選択肢も多いですから、これらのクラウドサービスの利用に慣れていない方には、かえって混乱を招くと思います。

ただサーバーを立てたいだけであれば、以下で説明するような、レンタルサーバーやVPS専用のサービスを利用するのが良いかと思います。

金銭的なコストが比較的大きい

以前、以下のような記事を書きました:

上記の記事には、Microsoft Azureの「App Service」というサービスを2年間使ってみた上での感想が書かれています。

上記の記事にも書きましたが、ある程度楽をしてAzure上にサーバーを立てようとすると、結構コストがかかります。

やはりただサーバーを立てたいだけであれば、もっとずっと安く済む方法が、たくさんあります。

個人開発におすすめのサーバー・VPS

仕事で使っている技術があれば、それを使う

まず前提として、あなたが既にITエンジニアとして働いていて、仕事で特定のクラウドサービス(AWSやAzure等)を使っているのであれば、個人でもそれを利用するのが良いのではないかと思います。

個人開発でクラウド上に基盤構築をした経験がそのまま仕事で使えますし、逆に業務で覚えたことが個人開発にも応用できて、相乗効果が期待できます。

また、サーバーレスアーキテクチャー等、ある程度複雑なアーキテクチャで本格的にシステム開発を行いたい場合は、海外大手クラウドベンダーのクラウドサービスを使うのが良いのではないかと思います。

AWSやAzureは、単純にWebシステムを開発するサーバーを提供しているだけでなく、あらゆるアーキテクチャを実現するのに必要な技術が詰まっています。

初心者にとっては複雑すぎるかもしれませんが、本格的にこだわったシステム基盤を、個人開発でも作り上げたい方には、これらのクラウドサービスが最適かと思います。

国内VPS

もし特に業務で使っているクラウドサービスがない場合や、IT初心者で、多機能で複雑なクラウドサービスを使いこなせる自信がない方には、VPSの利用をおすすめしています。

VPSとは「バーチャル・プライベート・サーバー」の略で、1台のサーバー機のハードウェア内に、仮想的に複数のOSを乗せて、複数人が同時に使えるようにしているものです。

こう説明するとちょっと小難しく感じますが、要は、「個人で占有して使えるのに、値段が安い」ということを実現している仕組みです。

「複数人が同時に利用するってことは、好き勝手にソフトをインストールすると、他の人の環境にも影響を与えてしまうのでは!?」と考えてしまうかもしれませんが、そこは複数のOS間で干渉しないようになっているため、利用者側としては、完全に個人用のサーバーとして利用することができます。

「共用サーバー」の場合は、他人がサーバーに対して行った行為が、自分の環境に影響を与えてしまう懸念もありますが、VPSの場合は、そういった心配はありません。

もっと言うなら、このVPSの仕組みは、前述のAWSやAzureのサーバーでも用いられています。

サーバーを利用したいだけであれば、海外の大手クラウドベンダーと同じようなことが行えますし、何よりコストが安く済みます。

ConoHa VPS

具体的なサービス名を聞かれた場合は、自分は、GMOが運営しているConoHa VPSをおすすめしています。

ConoHa VPSと言えば、日本マーケティングリサーチ機構の「ITエンジニアが使いたいVPS」の1位になったVPSです。

ConoHaシリーズにはいくつかの種類がありますが、Wordpressブログなどではなく、プログラムを書いてサーバーサイドの開発を行うのであれば、「ConoHa VPS」を用いるのが良いと思います。

これを用いれば、自由にサーバー内に環境を構築して、個人で開発したシステムを公開できます。

コスト面

コスト面では、1月で1000円もかけずにWebシステムやサイトの開発・公開を行えます。

しかも初期費用は0円です。

更に、独自ドメインが2つ無料でついてくるので、これも地味においしいです…

(普通、独自ドメインを取ろうとすると、ドメイン1つにつき年間1000円ちょっとはかかると思いますので…)

機能面

CohoHaの特徴として、サイトの速度が速くなることがあると思います。

特に国内向けにサイトを公開したいのであれば、同じくGMOのConoHa WINGというサーバーが、国内最速記録を持っているようです。

まぁ、どういう測定をして「最速」と言っているのかは分からないので、そこは何とも言えませんが、

ただ、以前ConoHaを使ってみた体感としても、かなりサイトがサクサク動くようになり、感動した記憶があります。

また、管理画面がすっきりしていて使いやすいことも、良い点だと思っています。

上記の海外大手クラウドベンダーのサービスは、本当に多機能なので、管理画面に多くの選択肢があり、全ての機能を使い切るのは不可能だと思います…

そういった意味でも、用途が既にはっきりしている場合は、ConoHa VPSを使っておけば、余計な混乱も起こらず、コスト面も抑えられて良いのではないかと思います。

DBサーバーやストレージなど、Webの個人開発に必要な機能は一通りそろっている一方で、それ以外の余計な選択肢は少なくなっており、本質的な機能の開発に専念しやすいようになっています。

さくらのVPS

国内向けに公開するサイトやWebシステムを作る場合、もう一つの選択肢になるのが、さくらのVPSかと思います。

sakura vps

こちらも大手企業、「さくらインターネット」さんが運営しているVPSです。

こちらもGMOのConoHaに負けず劣らず良いサービスなので、複数社のVPSを試してみたい際は、一度お試し利用してみることをおすすめします。

2週間は無料で使うことができます。

結論

長くなりましたが、「個人開発におすすめのサーバー」の結論としては、以下のものです:

  • 本業で使っているクラウドサービスがある場合は、個人でもそれを使う
  • 複雑なアーキテクチャでWebシステムを構築する必要がある場合は、海外大手クラウドベンダーのサービスを使う(AWSAzure
  • 国内向けのWebサービスを個人開発するだけであれば、コストを抑えられる国内のVPSを用いる(ConoHaさくらのVPS

この記事が、個人開発に取り組まれている皆さんのお役に立てば幸いです。

また、個人開発でWebサービスを作る上での手順と注意点を、以下の記事にまとめています。

よろしければ、こちらも目を通してみてください:

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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