Webエンジニアとして働かれている方の中には、休日などプライベートの時間も、個人的に開発を行っている方も多いのではないでしょうか。
今や「手に職付ける」職業の代表格となった「エンジニア」ですが、エンジニアの仕事の中で身に着けたスキルは、必ずしも会社に所属しなくても、個人でWebサービスを開発する中で活かすことができます。
仕事で身に着けた技術的なスキルを応用すれば、個人開発の中で、技術的に躓くことも少ないかもしれません。
しかし、いざ個人開発に取り掛かろうとした時に意外と躓くのが、「そもそものWebサービスのアイデアが湧いてこない」ということです。
普段エンジニアとして仕事をしていると、Webサービスのアイデア出しや企画の部分は、ビジネスサイドの人達が全てやってくれているかもしれません。
そういったビジネスサイドの人達や顧客の要求に振り回されることなく好き勝手開発ができるのは、個人開発の大きなメリットでもありますが、いざ自由に開発をしようとしても、何を作ればよいのか分からなくなることもよくあります。
この記事では、個人開発でWebサービスを作るときのアイデア出しの方法について、いくつかの案を提案します。
良いアイデアが思いつくまで、それぞれの方法を試してみてください!
この記事が、皆さん個人開発の助けになれば幸いです。
自分自身や身近な人の困っていることを、Webの力で解決できないか考えてみる

ビジネスとは、誰かの課題を解決することで、その報酬としてお金を受け取るものですね。
もしあなたが個人開発で作り上げたWebサービスから収益を得たいと考えているのであれば、人の課題にフォーカスすることが、スムーズな方法でしょう。
人の課題を探すうえで最も手っ取り早い方法は、自分の課題にフォーカスすることです。
あなたが日々生活したり業務を行う中で、「ちょっと不便だな」と感じたことを、忘れないようしておきましょう。
自分用に開発したちょっとしたツールに対して改良を重ねていくうちに、世に出せるレベルのものになっていくかもしれません。
あなたが不便に感じるということは、世の中には、あなたと同じ思いを持っている人がいるはずです。
その人の課題を解決するために、Webサービスとして公開してみましょう。
また、家族などの身近な人の課題を聞いてみるのも良いと思います。
何気ない会話の中で、日々の生活に不満に思っていることを聞き出せたら、それを忘れないようにしておきましょう。
その課題がWebサービスの力で解決できるものであれば、あとはそれを実装するだけです。
他業種の友人の、業務の課題を聞く

エンジニアとして働いていると、意外と他業種の人と会話をする場面は少ないものです。
ユーザーとのやり取りは、ビジネスサイドの人が代わりにやってくれることも多いでしょうから、仕事の中で関われる人の業種は、結構限られてきます。
そういった狭い世界の中で生活しながら、「世の中の人々の課題は何なんだろう」と思いを巡らせても、なかなか課題は見えてきません。
そんな時は、他業種で働いている友人の仕事の様子をヒアリングしてみましょう。
業界が違えば、ビジネスのやり方や、大切にされている価値観も大きく違うものです。
日々IT関連の業務に携わっているあなたからすると、「なぜそんな非効率的なやり方をしているんだろう…」と疑問に感じる点もあるかもしれません。
それらの業務の効率化を可能にするWebサービスを作れば、利用してくれる人が出てくる可能性もあります。
まずは実装する前に、その友人にWebサービスのアイデアを話してみて、フィードバックをもらうのも良いでしょう。
自分の強みや趣味に目を向けてみる

「ユーザーの課題を解決する」という気概は、ビジネスにおいてとても大切なものです。
ただその一方で、「ライバルとの差別化」というのも、一つな重要な要素です。
そのユーザーの課題は、本当にあなたでなければ解決できないものでしょうか?
もしかしたら、あなたよりもうまく解決するライバルが現れるかもしれません。
Webサービスのアイデアというのは、実は簡単に他者に真似されるものでもあります。
もしあなたがユーザーの課題を掘り起こして新たなビジネスを創出したとしても、その方法が儲かると知れ渡れば、きっと後発のライバルたちが次々と現れることでしょう。
そこまで考えると、人々の課題にフォーカスするよりも、あなた自身の強みにフォーカスした方が良い場合もあるかもしれません。
他者に簡単に真似されない、あなた自身の強みは何でしょうか。
- もし以前飲食店で働かれていたのであれば、飲食店向けのバイトのシフト管理サービスが作れるかもしれません
- もし海外に住まれていたのであれば、語学を学ぶためのWebサービスが作れるかもしれません
- 株の売買が趣味なのであれば、日々の株の値動きを監視するためのWebサービスを作ってみても良いかもしれません
- ガーデニングが趣味なのであれば、人々が庭の写真を見せ合うSNSを作れるかもしれません
- ゲームが趣味なら、ブラウザで遊べるゲーム開発に挑戦してみても良いでしょう
ユーザーの課題がなかなか思いつかない人は、あなた自身の強みや趣味に目を向けて、それを活かす方法を探してみてください。
あなた自身が好きなことや、今までやってきたことに関するWebサービスであれば、開発の際のモチベーションも維持しやすいと思います。
そして、自分と同じような趣味や経験を持ったユーザーを対象にした方が、ユーザーの気持ちも想像しやすいのではないでしょうか。
自分自身の強みを活かして、他者ではなかなか作れないWebサービスの開発にチャレンジしてみてください。
既存のWebサービスの真似をしつつ、機能を絞ることで差別化できないか考える

人々の課題に思いを巡らせても、自分自身の強みに目を向けてみても、どうしても開発するWebサービスのアイデアが湧いてこない人は、既存のWebサービスの真似をしてみるのも良いでしょう。
基本的に、私たちが日々利用しているWebサービスは、それなりに人気のあるサービスのはずです。
Amazonで買い物をしたり、Facebookで友達の近況を見たり、Gmailでメールを送ったり、Netflixで映画を見たり…
これらのWebサービスは全て、ライバルとの熾烈な競争に勝ち抜いてあなたの目に留まった、業界の勝者たちのはずです。
あなたが日々使っているWebサービスから学べることは、多くあるはずです。
ただ、Amazonの真似をして、Amazonと全く同じWebサイトを作ったとしても、個人開発者に勝ち目はないでしょう。
弱者が絶対的な強者と戦って勝つ唯一の方法は、局所戦に持ち込むことです。
もしあなたがAmazonの真似をしたいのであれば、Amazonの真似をしつつ、特定の分野に徹底的に集中しましょう。
たとえばもしあなたがペット好きなのであれば、Amazonのサイトの真似をしつつも、ペット用品のみに特化したECサイトにしてみるのも良いかもしれません。
全分野でAmazonと正面から勝負するのではなく、「ペット用品」という特定の分野で、一定の地位を築くことを目指しましょう。
マッチングアプリの開発に興味があるのであれば、Tinderのような世界中にユーザーを持つアプリの真似をしつつも、「日本人女性と、外国人男性のみ利用可能」のように制限を設けて、特定のニーズに特化することで差別化を図ることもできるかもしれません。
既存のWebサービスのコンセプトを、別の分野にも応用できないかを考える

既存のWebサービスの真似をしつつも、フィールドをずらすことで、直接的なライバルになることを避けることもできます。
たとえば、恋愛を前提とした男女のマッチングアプリや、婚活用のアプリの構造をそのまま真似しつつ、企業と求職者のマッチングを目的としたWebサービスが作れるかもしれません。
就職のためのWebサービスは既に多数ありますが、別の分野のアプリの構造を持ち込むことによって、目新しいサービスが作れるかもしれません。
もしくは、子供用の教育サービスの構造をそのまま真似して、老人のボケ防止のWebサービスにすることもできるかもしれません。
既存のWebサービスの構造を真似るにしても、対象となるユーザーのセグメントを大きくずらすことで、直接的なライバルにならずに済む可能性もあります。
Webサービスのアイデアがなかなか出てこない人は、「既存のWebサービスの仕組みを、別の分野にも活かせないか」ということを考えてみても良いかもしれません。
自分や他人が、既存のWebサービスに対して不満に思っていることを探してみる

皆さんが日々Webサービスを使っていく中で、ちょっとした不満を持つことは、よくあると思います。
その不満の多くはすぐに忘れ去られてしまうものですが、もしかしたらその不満の中に、新たなWebサービスのアイデアのヒントが隠されているかもしれません。
少しでも既存のWebサービスに不満に思うことがあれば、「どうしたらその不満を解消できるのか」を考えてみましょう。
不満の解消方法が思いついたら、その解消法を盛り込んだ、新たなWebサービスの開発に取り掛かりましょう。
あなたと同じ不満を持っているユーザーが他にもいれば、きっとの彼らはあなたのサービスに乗り換えてくれるでしょう。
海外で既に流行っているのに、まだ日本で流行っていないWebサービスを探す

私がフィリピンに住んでいた時、Foodpandaというサービスを頻繁に利用していました。
これは、UberEATSと同じようなサービスで、近所のあらゆる飲食店から、食べ物を宅配で受け取ることができるものです。
ただ、日本でUberEATSのようなサービスが流行りだしたのは、海外でこういったサービスが普及してから何年も経ってからのことです。
当時の私は「なぜ日本にはFoodpandaのようなサービスがないんだろう…」と、疑問に思っていた記憶があります。
日本は言葉の壁などもあり、良い意味でも悪い意味でも、ガラパゴスです。
海外で流行り始めたWebサービスを見付けることができたら、いち早く日本で類似サービスをリリースすることで、その分野の先駆者になれるかもしれません。
まとめ
さて、この記事では、個人開発に取り組もうとしている方が、新しいWebサービスのアイデア出しをするための7つの思考法を紹介してきました。
7つも方法があれば、きっと1つぐらいはアイデアが思い浮かぶはずです。
良いアイデアが思い浮かぶまで、この7つの方法を1つずつ試してみてください!
そして、Webサービスのアイデアが思いついたら、いよいよ技術選定をして開発に取り掛かることになります。
その時にぜひ注意して頂きたいのが、コストをかけすぎないということです。
アイデアが思いついたときにはテンションが上がって、ついサーバー代などもコストをかけてしまいがちです。
ただ、どんなアイデアが世の中に受けるのかは、誰にも分かりません。
もしうまくいかなかった場合も、月々のコストが抑えられていれば、気持ちを切り替えてまた次の個人開発にチャレンジしていくことができます。
個人開発におけるサーバー選びの方法は、以下の記事にも書いているので、良かったら目を通してみてください:
また、個人開発の企画からリリースまでの手順を、以下の記事にまとめましたので、良かったらこちらも見てみてください:
これらの記事が、あなたの個人開発の助けになれば幸いです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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